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永山薫先生の課題

 

・自分の好きな漫画またはアニメ作品の主要キャラクターの性別を逆転して読んでみる。その上で、気付いたこと

 感じたこと、発見したこと

                         訂正↓

 今まで体験した、一番Hな(性的に興奮した)ものについて、気づいたこと、感じたこと、発見したこと。

 私の記憶に残るもっとも古い、そして衝撃的だったイメージ。それは1996年2月27日にゲームボーイ用ソフトとして発売し、いまなお圧倒的な人気を誇るゲームシリーズの女性キャラクター(10代)が触手攻めに遭っているものだった。それが人生初のエロ体験だったと記憶している。当時私は小学生。それが影響してか現在でもそのような、いわゆる「異種姦」が好きだ。

もちろん現在、エロに関しては多様なジャンルを私は嗜好している。しかしマンガ、アニメ、ゲームなどに共通する「視覚情報」とその「好き嫌い」を排除し、文章表現だけで興奮できるかを判断すると、異種姦が描かれるものがそうではないものに比べ圧倒的に惹かれる。ということで、私は異種姦について取り組むとする。

 「異種姦」は架空の性交渉のひとつである。人間以外の動物と行う性行為、動物を相手に性欲を満足させる行為である「獣姦」は現実的に可能性があるものであるが、異種姦はその対象範囲を広げたものである。(獣姦に関しては心理学的に「性的倒錯」とみなされている。)

現在、「異種姦」には断定的な定義は無く、字面通りに説くならば種の異なるものとの性行為である。本課題ではこの定義に準ずる。(なお、私は言及できないが、生物に限らず非生物も対象に含む。)

昔から西洋東洋に関わらず芸術、文学の分野において獣姦が描かれており、各地の説話に確認できる。しかし、同時に多くの宗教的規範において獣姦は罪とされ、忌避されていた。現代では獣姦を禁止する法律が無くはないが、世界的に普遍的ではないようだ。

記録では、人間以外の動物が人間に対して求愛行動をとる例が確認され、異種姦は荒唐無

稽な話ではないと言える。それでも遺伝子構造の違いなどで受精しない。たとえ受精しても着床はせず排泄され妊娠はしないことから、人間と動物の交雑種がどちらを母体にしても生まれることは無いといわれている。念のため、実際の獣姦は危険を伴うし、身体的、精神的に辛い行為であることを記しておく。

 異種族とのセックスは、何らかのトラウマによってコミュニケーション能力が不足したことに由来する異常性癖ではないかと見るものがいるが、そのような説明で終わらせてはもったいない。日本には古来、他界( another worlds )と関わると何らかの形で幸福を得るという観念があった。神話から伝承、現在の昔話にその痕跡が残っている。他界というのは地獄、天国、神の国を指すだろうが、現代で言えば「種族」という言葉でも考えられる。世界間の隔たりを突破することに幸福、神性を見出す構造があると見ることが可能であるなら、異種姦はこれを他界の者との性交、婚姻、受胎、出産によって為しているということだ。この考え方を現代に当てはめると、アダルトビデオや書籍での異種交配が、種として閉塞した生物の状況を打破する試みに見えてくる。(なんだかSFっぽい話になった)

なんで好きなのか…

 異種姦を思い描き、実践までする者がいる一方で、異種間を嫌悪する者。この矛盾する方向性が古くから、そして同時的に人間の思考に存在していることは興味深い。

好む理由として一般的に言われる「背徳的だから」を掘り下げてみても、一般的規範に背くことへの陶酔か。神の被造物を汚すことへの陶酔か。被虐趣味か加虐趣味か。それ以外かは個人によるところだろう。また単純に性器の構造上、人間同士では味わえない性的体験の可能性に興奮するのかも、あるいはただの美しい・カワイイもの×醜い・気持ち悪いものフェチなだけかもしれない。

異種姦というカテゴリーは、亜人や触手が登場する非現実的な作風にするもよし、犬馬豚などのキャスティングで現実的にするもよし、どちらにせよ非日常ではあるため、登場人物の感情描写が経験的法則という制約に左右されず表現者の手腕に任される。だからこそ、前述の様々なエロさを引き立たせることができるのだろう。

 「醜い・気持ち悪いもの」というところに関して、異種姦を気持ち悪いという感情の原因は異種という異界の不気味さ、無感情あるいは人間の感情・倫理の無意味さを異種姦というジャンルはその根底に孕んでいるからかもしれない。

 最後に、私は個人的に、種の垣根を越えセクシュアリティーを見出す人間の感覚に、何か深遠なものを感じる。またそれも私を惹き付けて止まない魅力のひとつであるが。

参考

http://www.menscyzo.com/2010/06/post_1419.html

http://nan-net.com

『広辞苑第六版』 岩波書店 2008、2009

​担当:KOTA HIGUCHI

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